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3月14日
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有楽町の出光美術館で開催中の「小杉放庵展」を観てきました。

(名称は「放庵と大観」ですが、おそらく放庵だけでは集客が望めないと思った美術館が大観を混ぜることでより広い客層を狙ったものと思われます。)

私は小杉放庵の絵が好きです。初めて彼の作品を観たのは、竹橋の国立近代美術館で「青鸞 」という鳥(セイラン)が主役の作品でした。

独特のタッチと絵の雰囲気は、近代美術館の重厚な所蔵作品群のなかで、どこかヒョウヒョウとしつつも魅力的な深みがあり、

この作者は他の画家の譜系とは、違う視点で世界を観て、違う視点で絵を描いていると感じました。「このヒト、誰?」

その後、画集を探して神田の古本屋を歩いて集めたりするうちに、出光美術館がかなりまとまった作品を所蔵していることを知りましたが、

これだけの数の実物をまとめて見られたのは今回が初めてで、とても良かったです。

 

様々な作品をみても、やはり彼の作品中で“花鳥画”がずば抜けていい、という感想に変わりはありませんでした。

ただ、今回、大観と並べられることで、そのホンワカとした(権力志向の低い)絵から受けるほのぼの感の魅力が少しわかってきたような気がします。

その気なら上手く描けるくせに、必ずしもうまく描こうとはしない放庵の“心”を、私はいつか理解できるようになるのかなぁ、という感想を抱きつつ。